「ペーパーレス化を進めて業務効率を上げたいが、何から手をつければいいかわからない」
このような悩みを抱える企業の担当者様は少なくありません。ペーパーレス化は単に紙をなくすだけでなく、企業の生産性を大きく左右する重要な取り組みです。
本記事では、2026年の最新情報に基づき、ペーパーレス化の基本から具体的な進め方、目的別のツール、成功事例までを網羅的に解説します。読み終える頃には、自社に最適なペーパーレス化の第一歩が明確になるはずです。
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記事:【AI導入しないことが経営リスクになる時代】先行企業が手にした圧倒的な競争優位とは?
- ペーパーレス化とは?業務効率化の基本を解説
- 【2026年最新】国内企業のペーパーレス化の現状と課題
- ペーパーレス化がもたらす業務効率化と主要なメリット
- 事前に把握すべきペーパーレス化のデメリットと対策
- ペーパーレス化の対象となる主なビジネス文書
- ペーパーレス化を成功に導くための推進ステップ
- 失敗しないペーパーレス化のポイント
- 【目的別】ペーパーレス化を推進するツール・システム4選
- ツール選定で失敗しないための比較ポイント
- 【業種別】ペーパーレス化による業務効率化の成功事例2選
- ペーパーレス化を後押しする法律【2026年最新情報】
- AI活用でペーパーレス化と業務効率化をさらに加速させる方法
- ペーパーレス化の先に描くDX(デジタルトランスフォーメーション)
- ペーパーレス化と業務効率化に関するよくある質問
- ペーパーレス化の先の抜本的な業務効率化ならAX CAMP
- まとめ:ペーパーレス化による業務効率化で、企業の成長を加速させよう
ペーパーレス化とは?業務効率化の基本を解説
ペーパーレス化とは、紙媒体で扱っていた書類や情報を電子データに変換し、活用しやすい形で管理・運用する取り組みのことです。単に紙の書類をスキャンして画像として保存するだけでなく、そのデータを検索・共有・編集しやすい状態にし、業務プロセス全体の効率化を目指します。この点が、単なる「電子化」との大きな違いと言えるでしょう。
これまで紙で行っていた契約手続き、稟議書の回覧、請求書の発行といった業務をデジタル上で完結させることで、時間や場所の制約を受けずに業務を進められるようになります。結果として、従業員の生産性向上や、多様な働き方への対応が可能になるのです。
紙媒体からデジタルデータへ移行する取り組み
ペーパーレス化の第一歩は、既存の紙媒体をデジタルデータへ移行することから始まります。具体的には、スキャナーを使って紙の文書をPDFなどのファイル形式に変換したり、最初からWordやExcelといったデジタル形式で文書を作成したりします。
ここで重要なのは、ただデータ化するだけでなく、後から誰でも必要な情報へ迅速にアクセスできるよう、ファイル名やフォルダ構成に一貫したルールを設けることです。これにより、情報の検索性が飛躍的に向上し、「あの書類はどこにいった?」といった無駄な時間を削減できます。
単なる「電子化」で終わらせない重要性
ペーパーレス化の目的は、紙をなくすこと自体ではありません。最終的なゴールは、デジタルデータを活用して業務効率化や生産性向上を実現することにあります。スキャンしただけの画像データでは、テキスト検索もできず、データの再利用も困難です。これでは、保管場所がキャビネットからサーバーに変わっただけで、本質的な業務改善にはつながりません。
OCR(光学的文字認識)技術でテキストデータ化したり、文書管理システムを導入してバージョン管理やアクセス制御を行ったりするなど、データを「活用」する仕組みを整えることが成功の鍵を握ります。ペーパーレス化は、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の基盤となる重要なステップなのです。
【2026年最新】国内企業のペーパーレス化の現状と課題
国内企業のペーパーレス化は着実に進展していますが、多くの企業が依然として課題を抱えています。近年の法改正や働き方の多様化が後押しとなり、多くの企業がその必要性を認識しつつも、導入にはいくつかのハードルが存在するのです。
ここでは、2026年1月現在の最新データを基に国内企業の導入状況と、ペーパーレス化がなかなか進まない背景にある共通の課題について解説します。自社の状況と照らし合わせながら、課題解決のヒントを探ってみましょう。
最新データで見るペーパーレス化の導入率
企業のペーパーレス化への取り組みは年々増加傾向にあります。例えば、エプソン販売株式会社の調査によると、勤務先でペーパーレス化が進んでいると回答した方は6割以上にのぼりました。また、株式会社デージーネットによる2025年5月の調査では、紙データの電子化に既に取り組んでいる企業も75.6%に達しており、多くの企業がペーパーレス化の第一歩を踏み出していることがわかります。(出典:ペーパーレス化に関する実態調査|エプソン販売株式会社, 『ペーパーレス化』に関するアンケートの統計結果を公表|株式会社デージーネット)
この背景には、後述する電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の導入といった法制度への対応が大きく影響しており、ペーパーレス化はもはや避けて通れない経営課題となりつつあります。こうした状況が、企業の取り組みをさらに後押ししていると言えるでしょう。
ペーパーレス化が遅れてしまう背景
多くの企業がペーパーレス化の重要性を認識している一方で、その推進が思うように進まないケースも少なくありません。その背景には、いくつかの共通した課題が存在します。
- 導入コストの問題
- 従業員のITリテラシー
- 既存の業務フロー変更への抵抗
- 費用対効果の不明確さ
- セキュリティへの懸念
これらの課題が考えられます。特に中小企業においては、初期投資やシステムのランニングコストが大きな負担となる場合があります。また、長年慣れ親しんだ紙ベースの業務フローを変えることへの心理的な抵抗感や、新しいシステムを使いこなせるかといった従業員の不安も、導入を妨げる一因です。
これらの課題を乗り越えるためには、経営層の強いリーダーシップのもと、目的を明確にし、従業員への丁寧な説明と教育を行いながら、スモールスタートで成功体験を積み重ねていくことが重要になります。
ペーパーレス化がもたらす業務効率化と主要なメリット
ペーパーレス化の推進は、単に紙を削減するだけでなく、企業経営に多岐にわたるメリットをもたらします。コスト削減といった直接的な効果から、生産性の向上、さらにはセキュリティ強化といった間接的な効果まで、その恩恵は計り知れません。これらのメリットを理解することは、社内での導入推進や投資判断において重要な要素となります。
ここでは、ペーパーレス化がもたらす主要な3つのメリット、「コスト削減」「生産性向上と多様な働き方の実現」「セキュリティ強化とコンプライアンス遵守」について具体的に解説します。
コストの大幅な削減(印刷費・保管費・郵送費)
ペーパーレス化による最も分かりやすいメリットは、直接的なコストの削減です。 紙媒体の利用には、目に見える費用から見えにくい費用まで、さまざまなコストが発生しています。
- 印刷コスト:コピー用紙、インク・トナー代、プリンターのリース・メンテナンス費用
- 保管コスト:ファイルやキャビネットの購入費、書類保管スペースの賃料
- 郵送・運搬コスト:切手代、封筒代、バイク便などの配送料
- 廃棄コスト:シュレッダーの費用、機密文書の廃棄委託費用
これらのコストは、ペーパーレス化によって大幅に削減できます。例えば、大量の請求書を発行する企業では、郵送費と印刷費だけでも相当な額になりますが、電子請求書に切り替えることで、これらのコストをゼロに近づけることが可能です。
生産性向上と多様な働き方の実現(情報共有の迅速化・テレワーク促進)
ペーパーレス化は、従業員の生産性を飛躍的に向上させます。書類が電子データとして一元管理されることで、必要な情報を探す時間が劇的に短縮されます。キーワード検索機能を使えば、キャビネットの中から特定の書類を探し出す手間はもうありません。ある企業では、書類検索にかかる時間が大幅に削減されたという報告もあります。
また、稟議書や申請書の承認プロセスも、ワークフローシステムを導入すればオンライン上で完結し、担当者の不在による業務の停滞を防ぎます。情報共有もリアルタイムで行えるため、意思決定のスピードが向上します。さらに、場所を選ばずに書類へアクセスできるため、テレワークやハイブリッドワークといった多様な働き方を強力に後押しする基盤となります。
セキュリティ強化とコンプライアンス遵守
紙の書類は、紛失、盗難、災害による消失といった物理的なリスクが常に伴います。ペーパーレス化によって書類を電子データで管理すれば、これらのリスクを大幅に低減できます。文書管理システムなどを活用することで、アクセス権限を細かく設定でき、役職や部署に応じて閲覧・編集できるユーザーを制限することが可能です。
いつ、誰が、どのファイルにアクセスしたかというログ(履歴)も記録されるため、不正な持ち出しや情報漏洩に対する抑止力が高まります。また、電子帳簿保存法などの法律に対応したシステムを導入することで、法令を遵守した適切な文書管理(コンプライアンス遵守)が容易になり、企業の信頼性向上にもつながります。
事前に把握すべきペーパーレス化のデメリットと対策
ペーパーレス化は多くのメリットをもたらす一方で、導入にあたって考慮すべきデメリットや課題も存在します。 これらの点を事前に把握し、適切な対策を講じることが、プロジェクトをスムーズに進める上で不可欠です。主なデメリットとして、導入時のコストや従業員への教育負担、そしてシステム障害といったリスクが挙げられます。
ここでは、これらのデメリットに対する具体的な対策を解説し、安心してペーパーレス化に取り組むための準備をサポートします。
導入コストと従業員への教育
ペーパーレス化を実現するためには、一定の初期投資が必要です。これには、文書管理システムやスキャナー、タブレット端末といったハードウェア・ソフトウェアの購入費用が含まれます。また、クラウドサービスを利用する場合は、月額の利用料も発生します。これらの導入コストが、特に体力のない中小企業にとっては負担となるケースも少なくありません。
対策としては、まず全部門で一斉に導入するのではなく、特定の部署や業務に絞ってスモールスタートすることが有効です。これにより初期投資を抑えつつ、費用対効果を検証できます。また、IT導入補助金など、国や自治体が提供する支援制度の活用も検討しましょう。従業員への教育については、操作マニュアルの整備や研修会を実施し、導入に対する不安を解消することが重要です。
システム障害やセキュリティリスクへの備え
業務の根幹をデジタルデータに依存するため、システム障害やサイバー攻撃、データ消失といったリスクへの備えは必須です。サーバーがダウンすれば業務が完全に停止する可能性があり、事業継続計画(BCP)の観点からも対策が求められます。
具体的な対策として、データの定期的なバックアップは必ず行いましょう。可能であれば、複数の場所にバックアップを保管(ディザスタリカバリ)することが望ましいです。セキュリティリスクに対しては、ファイアウォールの導入やウイルス対策ソフトの徹底はもちろん、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高める教育も欠かせません。信頼性の高いクラウドサービスを選定し、委託先との間で個人情報保護法が求める「安全管理措置」を盛り込んだ契約を締結することも、リスクを軽減する有効な手段です。
ペーパーレス化の対象となる主なビジネス文書
企業活動においては、日々多種多様な文書が作成・利用されています。ペーパーレス化を推進するにあたり、どの文書から手をつけるべきかを見極めることは、効果を最大化する上で非常に重要です。一般的に、ビジネス文書は「会議資料や社内申請書」のような社内でやり取りされるものと、「契約書や請求書」のような社外とやり取りされるものに大別できます。
ここでは、ペーパーレス化の対象となりやすい主なビジネス文書を具体的に挙げ、それぞれの特徴について解説します。
会議資料や社内申請書
社内で完結する文書は、比較的ペーパーレス化を進めやすい領域です。関係者の合意形成が主な目的であり、外部の取引先を巻き込む必要がないため、自社の判断で迅速にデジタル化へ移行できます。
- 会議資料・議事録
- 稟議書・決裁書
- 経費精算書・出張申請書
- 勤怠管理表・休暇届
- 社内報告書・日報
これらの文書は、ペーパーレス化による恩恵を最も受けやすいものと言えます。会議のたびに大量の資料を印刷・配布する手間とコストはゼロになり、申請書の承認プロセスはワークフローシステムによって劇的にスピードアップします。まずはこうした社内文書から着手するのが、ペーパーレス化成功の定石です。
契約書や請求書などの取引書類
取引先との間でやり取りされる書類も、ペーパーレス化の重要な対象です。これらの文書を電子化することで、郵送コストの削減やリードタイムの短縮といった大きなメリットが生まれます。ただし、法的な要件を満たす必要があるため、適切なツールの選定が不可欠です。
- 契約書・覚書
- 見積書・発注書・納品書
- 請求書・領収書
特に契約書は、電子契約サービスを利用することで、印紙税の削減や契約締結までの時間短縮に繋がります。また、改正電子帳簿保存法により、2024年1月以降、原則として電子取引データの電子保存が義務化されています。この法改正への対応という観点からも、取引書類のペーパーレス化は多くの企業にとって重要な課題となっています。
ペーパーレス化を成功に導くための推進ステップ
ペーパーレス化を成功させるためには、やみくもにツールを導入するのではなく、計画的かつ段階的に進めることが極めて重要です。明確な目的設定から始め、現状を分析し、小さな成功を積み重ねていくアプローチが、最終的に全社的な定着へと繋がります。ここでは、ペーパーレス化を成功に導くための具体的な2つのステップを解説します。
このステップを踏むことで、導入後の混乱を避け、着実に業務効率化という成果を得ることができるでしょう。
ステップ1:目的の明確化と対象業務の選定
まず、「何のためにペーパーレス化を行うのか」という目的を明確に定義します。「コストを30%削減する」「請求書処理の時間を半分にする」など、具体的で測定可能な目標を設定することが重要です。目的が曖昧なままでは、適切なツールの選定もできず、現場の協力も得られません。
目的が明確になったら、次に対象となる業務や書類を選定します。全ての業務を一度にペーパーレス化するのは現実的ではありません。まずは、費用対効果が高く、かつ関係者が少ない業務から始めるのが成功の秘訣です。例えば、経理部門の請求書処理や、総務部門の社内申請業務などが候補として挙げられます。小さな範囲で成功事例を作ることで、他部門へ展開する際の説得力が増します。
ステップ2:運用ルールの策定と段階的な導入・効果測定
対象業務が決まったら、電子化したデータをどのように扱うかの運用ルールを具体的に策定します。ルールがなければ、データの保存場所がバラバラになったり、必要な情報が見つけられなくなったりと、かえって非効率になってしまいます。
- ファイル命名規則
- フォルダの階層構造
- データの保存期間
- アクセス権限の設定
- バックアップ方針
こうしたルールをマニュアルとして整備し、関係者全員に周知徹底します。ルール策定後、いよいよツールの導入と運用を開始しますが、ここでも段階的な導入(スモールスタート)を心がけましょう。そして、導入前後で業務時間がどれだけ短縮されたか、コストがどれだけ削減されたかといった効果測定を定期的に行い、PDCAサイクルを回していくことが、ペーパーレス化を定着させ、成果を最大化する鍵となります。
https://media.a-x.inc/business-efficiency-steps失敗しないペーパーレス化のポイント
ペーパーレス化は多くの企業にとって重要な取り組みですが、残念ながらすべての企業が成功しているわけではありません。ツールの導入自体が目的化してしまったり、現場の業務実態を無視して進めてしまったりすることで、かえって業務が非効率になるケースも見受けられます。成功と失敗を分けるのは、いくつかの重要なポイントを抑えられているかどうかです。
ここでは、ペーパーレス化でありがちな失敗を避け、確実に成果を出すための2つの重要なポイントを解説します。
目的を「ペーパーレス化」自体にしない
最も陥りやすい失敗の一つが、「紙をなくすこと」そのものをゴールにしてしまう点です。ペーパーレス化は、あくまで業務効率化や生産性向上、コスト削減といった経営課題を解決するための「手段」に過ぎません。この本来の目的を見失うと、単に紙の書類をスキャンしてPDFにするだけの「電子化」で満足してしまい、その後のデータ活用に繋がりません。
常に「この取り組みによって、どの業務がどれだけ効率化されるのか?」という視点を持ち続けることが不可欠です。そのためにも、推進ステップの第一歩である目的の明確化が欠かせません。設定した目的に立ち返り、導入するツールや策定するルールがその目的に合致しているかを常に確認しながら進めましょう。
現場の意見を取り入れた段階的な導入
ペーパーレス化の推進は、経営層や情報システム部門が主導するトップダウン型で進められることが多いですが、実際にシステムを利用するのは現場の従業員です。現場の業務フローや課題を無視してシステムを導入しても、使い勝手が悪ければ利用されず、形骸化してしまいます。結果として、従来の紙業務と新しいシステムが併用され、二度手間が発生するなど、かえって非効率になる恐れもあります。
これを防ぐためには、企画段階から現場の従業員を巻き込み、意見をヒアリングすることが極めて重要です。どのような点に不便を感じているか、どんな機能があれば業務が楽になるかといった声に耳を傾け、ツール選定やルール作りに反映させましょう。また、前述の通り、一部の部署から試験的に導入し、現場からのフィードバックを基に改善を重ねながら全社展開していくアプローチが、定着の成功率を大きく高めます。
【目的別】ペーパーレス化を推進するツール・システム4選
ペーパーレス化を成功させるためには、目的に合った適切なツールやシステムを選定することが不可欠です。市場には多種多様なツールが存在し、それぞれに得意な領域や機能が異なります。自社が解決したい課題に応じて、最適なソリューションを選択する必要があります。
ここでは、ペーパーレス化を推進する上で代表的な4種類のツール・システムを取り上げ、それぞれの特徴と主な用途を解説します。
1. 文書管理システム (DMS)
文書管理システム(DMS: Document Management System)は、社内のあらゆる電子文書を一元的に保管・管理するためのシステムです。契約書や申請書、マニュアル、図面など、さまざまな種類のドキュメントを整理し、必要な時にすぐに見つけ出せるようにします。
主な機能として、高度な検索機能、バージョン管理(更新履歴の保存)、アクセス権限設定、有効期限管理などがあります。セキュリティを担保しながら効率的に文書を共有・活用したい場合に最適で、ペーパーレス化の中核を担うシステムと言えます。
2. ワークフローシステム
ワークフローシステムは、稟議書や各種申請書など、社内の承認・決裁プロセスを電子化するシステムです。紙の書類を回覧する代わりに、システム上で申請から承認、決裁までの一連の流れを完結させることができます。
誰の承認まで進んでいるかが可視化されるため、プロセスの停滞を防ぎ、意思決定の迅速化に大きく貢献します。テレワーク中でも申請・承認業務を行えるため、多様な働き方への対応にも不可欠なツールです。経費精算や勤怠管理など、特定の業務に特化した製品も多く存在します。
3. 電子契約サービス
電子契約サービスは、これまで紙と印鑑で行っていた契約締結を、クラウド上で完結させるサービスです。電子署名やタイムスタンプといった技術を用いることで、法的な有効性を担保します。
導入することで、契約書の印刷・製本・郵送といった手間とコストが一切不要になります。また、収入印紙も不要になるため、印紙税の大幅な削減が可能です。契約締結までのリードタイムも劇的に短縮され、ビジネスのスピードを加速させます。取引先との契約業務が多い企業には特にメリットの大きいツールです。
4. AI-OCRツール
AI-OCRは、AI技術を活用して紙の書類をスキャンし、高精度でテキストデータ化するツールです。 従来のOCRに比べて、手書き文字や非定型フォーマットの帳票でも高い認識率を誇ります。
請求書や発注書、アンケート用紙など、紙媒体で受け取らざるを得ない書類を扱う場合に特に有効です。データ化された情報は、RPA(Robotic Process Automation)と連携させることで、会計システムへの入力などを自動化できます。紙媒体の情報をデジタル業務プロセスに連携させる「橋渡し」として、重要な役割を果たします。
ツール選定で失敗しないための比較ポイント
自社の目的に合ったツールの種類を絞り込んでも、各カテゴリには数多くの製品が存在するため、どれを選べばよいか迷ってしまうことも少なくありません。ツール選定の失敗は、導入後の定着を妨げ、投資が無駄になる大きな要因です。選定にあたっては、機能の豊富さや価格だけでなく、より実用的な観点から比較検討することが重要です。
ここでは、ツール選定で失敗しないために必ず確認すべき2つの比較ポイント、「操作性とサポート体制」および「既存システムとの連携性」について解説します。
操作性とサポート体制
どんなに高機能なツールでも、現場の従業員が直感的に使えなければ意味がありません。特にITツールに不慣れな従業員が多い場合は、シンプルで分かりやすいインターフェースかどうかが、定着の鍵を握ります。多くのツールでは無料トライアル期間が設けられているため、本格導入の前に必ず複数の部署の担当者に実際に触ってもらい、操作性を評価してもらうことが不可欠です。
また、導入初期のつまずきや運用開始後のトラブルに迅速に対応してくれるサポート体制の充実度も重要な選定基準です。電話やメール、チャットなど、どのようなサポートが受けられるのか、対応時間はどうなっているのかを事前に確認しておきましょう。導入支援や活用セミナーの有無も、スムーズな立ち上がりを助ける要素となります。
既存システムとの連携性
ペーパーレス化は、単一のツールで完結するものではなく、複数のシステムが連携することで最大の効果を発揮します。そのため、現在社内で利用しているシステムとスムーズに連携できるかどうかは、極めて重要なポイントです。API連携の可否や、連携実績のあるシステムなどを事前に確認しましょう。
例えば、AI-OCRで読み取った請求書データを、現在利用している会計システムに自動で取り込めるか、といった具体的な連携シナリオを想定して評価することが大切です。データの二重入力といった手間をなくし、業務プロセス全体をシームレスに自動化することで、ペーパーレス化の効果はさらに高まります。
【業種別】ペーパーレス化による業務効率化の成功事例2選
ペーパーレス化は、業種や業務内容によってその取り組み方や効果の現れ方が異なります。他社の成功事例を知ることは、自社で導入を検討する際の具体的なイメージを掴み、成功への道筋を描く上で非常に有益です。ここでは、特に紙の書類を多く扱う代表的な業種として「製造業」と「小売業」を取り上げ、それぞれのペーパーレス化による業務効率化の成功事例を紹介します。
事例1:製造業|図面管理と承認フローの効率化
ある製造業の企業では、設計部門が作成する大量の紙の図面の管理が大きな課題でした。 保管スペースの圧迫に加え、過去の図面を探し出すのに膨大な時間がかかり、製造現場との情報共有にもタイムラグが生じていました。また、図面の変更や承認プロセスも紙ベースで行われており、業務が停滞しがちでした。
そこで同社は、図面管理システムを導入し、すべての図面を電子データで一元管理するようにしました。 これにより、キーワード検索で必要な図面を瞬時に見つけられるようになり、検索時間が大幅に短縮されました。製造現場ではタブレット端末で常に最新の図面を確認できるため、古い図面で作業してしまうといったミスがなくなりました。承認フローもシステム上で完結するため、リードタイムが大幅に短縮され、製品開発のスピードアップに繋がったという事例があります。(出典:株式会社 横森製作所 様 導入事例)
事例2:小売業|契約業務と勤怠管理のデジタル化
多店舗展開を行うある小売企業では、アルバイトやパート従業員の入社手続きと勤怠管理が紙ベースで行われており、本社の人事部門に大きな負担がかかっていました。 各店舗から郵送されてくる雇用契約書やタイムカードの処理に追われ、給与計算の締め切り前は毎月残業が常態化していました。
この課題を解決するため、同社は電子契約サービスとクラウド型の勤怠管理システムを導入しました。 雇用契約はオンラインで完結し、書類の郵送や保管が不要に。従業員はスマートフォンから出退勤の打刻ができるようになり、タイムカードの集計作業が自動化されました。結果として、人事部門の書類処理にかかる時間が大幅に削減され、担当者はよりコアな業務に集中できるようになったという報告があります。(出典:株式会社コメダ 導入事例)
ペーパーレス化を後押しする法律【2026年最新情報】
近年の法改正は、企業のペーパーレス化を強力に後押ししています。特に「電子帳簿保存法」と「インボイス制度」は、多くの企業にとって対応が必須であり、これらを遵守する過程でデジタル化が必然的に進むことになります。法律への対応は単なる義務ではなく、業務プロセスを見直し、効率化を図る絶好の機会と捉えることが重要です。ここでは、2026年時点でのこれら法律のポイントと動向を解説します。
改正電子帳簿保存法の対応ポイント
電子帳簿保存法は、国税関係の帳簿や書類を電子データで保存することを認める法律です。数度の改正を経て、2024年1月以降、電子取引データの電子保存が義務化されました。 電子メールやクラウドサービスなどで受け取った請求書や領収書は、紙に印刷しての保存は原則として認められません。(出典:電子帳簿保存法特設サイト|国税庁)
2026年においてもこの義務は継続しており、対応していない場合は税務調査で指摘を受けるリスクがあります。 保存にあたっては、「真実性の確保」と「可視性の確保」という要件を満たす必要があり、具体的には、訂正削除の履歴が残るシステムを利用する、あるいは改ざん防止の事務処理規程を設けるといった対応が求められます。ただし、所轄税務署長が認める相当の理由がある場合には猶予措置も設けられているため、自社の状況に合わせて適切な対応を確認することが重要です。
インボイス制度とデジタルインボイスの動向
2023年10月に開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)も、ペーパーレス化と密接に関係しています。インボイス制度では、仕入税額控除を受けるために、要件を満たした「適格請求書(インボイス)」の保存が必要です。このインボイスは紙でも電子データでも構いませんが、電子で授受する「電子インボイス」が業務効率化の観点から推奨されています。
さらに、世界的な潮流として、標準化・構造化されたデータ形式でやり取りする「デジタルインボイス」の導入が進んでいます。 日本でも、Peppol(ペポル)という国際標準仕様に準拠したデジタルインボイスの普及が進められています。2026年以降、このデジタルインボイスが普及することで、請求から支払い、経理処理までの一連のプロセスが自動化され、企業のバックオフィス業務は劇的に効率化されると期待されています。
AI活用でペーパーレス化と業務効率化をさらに加速させる方法
ペーパーレス化によってデジタル化されたデータを、AI(人工知知能)と組み合わせることで、業務効率化をさらに高いレベルへと引き上げることが可能です。 AIは、これまで人間が行っていた定型的な作業や、膨大なデータの中から特定の情報を探し出すといった作業を、高速かつ正確に実行できます。ペーパーレス化の次のステップとして、AIの活用は企業の競争力を左右する重要な鍵となります。
ここでは、AIを活用してペーパーレス化の効果を最大化する具体的な方法と、それによってどのような成果が得られるのかを、弊社のAX CAMPを導入した企業の事例を交えて紹介します。
AI-OCRによるデータ入力の自動化は代表例ですが、近年では生成AIの活用が注目されています。例えば、保管されている大量の契約書データから、リスクとなりうる条文をAIに補助的にリストアップさせたり、過去の議事録データを学習させて、会議の内容を要約させたりするといった活用が期待できます。これにより、専門的な知識が必要な業務や、時間のかかる情報整理業務の負担を大幅に軽減できるのです。
弊社の法人向けAI研修「AX CAMP」を導入した企業様の中には、AI活用によって劇的な業務効率化を達成した事例が数多くあります。例えば、SNS広告・ショート動画制作を手掛けるWISDOM社様は、AI導入によって採用予定だった2名分の業務をAIが代替し、さらに毎日2時間かかっていた調整業務の自動化にも成功しました。(出典:WISDOM、AI導入で採用2名分の業務を代替し、毎日2時間の調整業務の自動化に成功)
また、リスティング広告を運用するグラシズ様は、これまで3営業日かかっていたLP制作をAIで内製化し、制作時間をわずか2時間に短縮。これにより、外注費10万円を0円に削減することに成功しています。(出典:【導入事例】グラシズ様 広告LP制作の外注費10万円を0円に)さらに、Webメディアを運営するRoute66様では、AIを活用することで24時間かかっていた原稿執筆がわずか10秒で完了するなど、コンテンツ制作のあり方を根底から変革しました。
これらの事例が示すように、ペーパーレス化を基盤としてAIを導入することは、単なる業務時間の短縮に留まらず、コスト削減や新たな価値創造へと直結するのです。
ペーパーレス化の先に描くDX(デジタルトランスフォーメーション)
ペーパーレス化は、それ自体が最終ゴールではありません。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するための、重要かつ不可欠な第一歩です。DXとは、デジタル技術を活用して、単に業務を効率化するだけでなく、ビジネスモデルそのものや組織、企業文化を変革し、競争上の優位性を確立することを指します。
紙の情報をデジタルデータに置き換える「デジタイゼーション」、そしてそのデータを使って特定の業務プロセスを効率化する「デジタライゼーション」。ペーパーレス化は、この2つの段階に相当します。しかし、真のDXは、この先にあります。全社的に蓄積されたデジタルデータを分析・活用し、データに基づいた経営判断(データドリブン経営)を行ったり、顧客に対して新たな価値やサービスを提供したりすることで、ビジネスのあり方を根本から変えていくのです。
例えば、ペーパーレス化された契約書データを分析して顧客の傾向を掴み、新たなマーケティング戦略を立案する。あるいは、電子化された日報や報告書をAIが分析し、業務プロセスのボトルネックを特定して改善提案を行う。このように、ペーパーレス化によって生まれたデジタルデータを「資産」として活用することが、DXの核心です。ペーパーレス化の取り組みを、全社的な変革へのスタートラインとして位置づけることが、企業の持続的な成長には不可欠です。
ペーパーレス化と業務効率化に関するよくある質問
ペーパーレス化の導入を検討する中で、多くの担当者様が同様の疑問や不安を抱かれます。ここでは、これまでに寄せられた質問の中から特に代表的なものを3つ取り上げ、Q&A形式で分かりやすく解説します。具体的な疑問を解消し、自社での取り組みを円滑に進めるための一助としてください。
どの部署から始めるのが効果的ですか?
経理、総務、人事といったバックオフィス部門から始めるのが最も効果的です。これらの部門は、請求書、契約書、各種申請書など、定型的な紙の書類を大量に扱うため、ペーパーレス化による費用対効果を実感しやすい特徴があります。また、業務プロセスが社内で完結しているケースが多いため、取引先など外部の調整が少なく、比較的スムーズに導入を進めることができます。
特に、電子帳簿保存法への対応が必須となる経理部門の請求書処理や、承認フローのデジタル化で効果が出やすい総務部門の稟議書管理などは、最初のターゲットとして最適です。小さな成功事例を作ることで、他部門への展開も容易になります。
紙の書類はすべて破棄しても問題ないですか?
いいえ、すべての書類を破棄できるわけではありません。法律によって原本(紙)での保存が義務付けられている書類が存在するため、注意が必要です。 例えば、許認可に関する書類や、一部の不動産関連の書類などは、依然として紙での保管が求められる場合があります。
一方で、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たせば、契約書や領収書など多くの国税関係書類は、スキャン後に原本を破棄することが可能です。どの書類が破棄可能で、どの書類を保管しなければならないかについては、自社の顧問税理士や弁護士などの専門家に確認することをお勧めします。安易な自己判断で重要な書類を破棄しないよう、慎重な対応が求められます。
導入にかかる費用と期間の目安は?
導入費用と期間は、企業の規模、対象とする業務範囲、導入するツールの種類によって大きく異なります。一概に示すことは難しいですが、クラウド型のツールを利用する場合、初期費用は数万円から数十万円、月額費用はユーザー数に応じて数万円から、というのが一つの相場観です。
期間については、特定の業務に絞って導入する場合、準備期間を含めて3ヶ月から半年程度が目安となります。全社的に大規模なシステムを導入する場合は、1年以上のプロジェクトになることもあります。まずはスモールスタートで始め、効果を測定しながら段階的に範囲を拡大していくアプローチが、リスクとコストを抑える上で有効です。多くのツールで無料トライアルが提供されているため、まずはそれらを活用して費用対効果を見極めることから始めると良いでしょう。
ペーパーレス化の先の抜本的な業務効率化ならAX CAMP

ペーパーレス化は業務効率化の重要な一歩ですが、その効果を最大化し、企業の競争力を真に高めるためには、デジタル化されたデータをいかに活用するかが鍵となります。特にAI(人工知能)の活用は、定型業務の自動化に留まらず、これまで人間にしかできなかった高度な判断や分析をも代替し、企業の生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。
しかし、「AIをどう業務に取り入れればいいかわからない」「どのツールを選べば良いのか判断できない」「社員のAIリテラシーが追いついていない」といった課題を抱える企業様は少なくありません。ツールの導入だけでは、本当の意味での業務変革は実現しないのです。
株式会社AXが提供する「AX CAMP」は、そのような課題を解決するための実践的な法人向けAI研修・伴走支援サービスです。私たちは、単にAIツールの使い方を教えるだけではありません。貴社の具体的な業務内容や課題をヒアリングし、どの業務にAIを適用すれば最も効果が出るのかを共に考え、実務に直結するカリキュラムをオーダーメイドで設計します。
講義とワークショップを組み合わせた実践的な研修を通じて、従業員一人ひとりが自らAIを活用して業務を改善できるスキルを習得。研修後も、専門家が継続的にサポートし、AI活用の定着と全社的な展開を力強く後押しします。ペーパーレス化の次のステップとして、AIによる抜本的な業務改革を目指しませんか。ご興味のある方は、ぜひ一度、無料相談にお申し込みください。
まとめ:ペーパーレス化による業務効率化で、企業の成長を加速させよう
本記事では、2026年1月現在の最新情報に基づき、ペーパーレス化による業務効率化の進め方、メリット・デメリット、具体的なツールや成功事例について網羅的に解説しました。ペーパーレス化は、もはや単なるコスト削減策ではなく、企業の生産性向上、多様な働き方への対応、そしてDX推進の基盤として不可欠な経営戦略です。
この記事の要点を以下にまとめます。
- ペーパーレス化は業務プロセス全体の効率化が目的
- 法改正が強力な後押しとなり導入は加速している
- 目的を明確にしスモールスタートで進めることが成功の鍵
- AIの活用でペーパーレス化の効果を最大化できる
ペーパーレス化への取り組みは、時に困難を伴うかもしれません。しかし、その先には、従業員がより創造的な仕事に集中できる環境と、変化に強いしなやかな企業組織が待っています。この記事で紹介したステップやポイントを参考に、ぜひ自社での第一歩を踏み出してください。
もし、ペーパーレス化の先の、AIを活用したより高度な業務効率化や組織変革にご興味があれば、弊社の「AX CAMP」が強力なサポートを提供します。専門的な知見と伴走支援により、貴社のAI導入と人材育成を成功に導きます。詳しい資料や無料相談もご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
