生成AIでイラストを制作する際、「キャラクターに思った通りのポーズをとらせられない」と悩んでいませんか。プロンプト(指示文)を工夫しても、不自然な体勢になったり、意図しない方向を向いてしまったりすることは少なくありません。実は、キャラクターの魅力はポーズ指定で大きく変わります

この記事では、基本的な立ちポーズから複雑なアクションシーンまで、コピペして使える具体的なプロンプトを豊富に紹介します。さらに、ControlNetなどの応用技術や、ポーズ生成の精度を高めるための3つのコツも解説。最後まで読めば、あなたのイラストの表現力は格段に向上するでしょう。

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目次
  1. 生成AIでポーズ指定が重要な理由
    1. イラストの魅力を引き出す構図の基本
    2. キャラクターの感情や物語性を表現する
    3. ポーズ指定でよくある失敗パターンと原因
  2. 基本的な全身ポーズのプロンプト集
    1. 立ちポーズ(standing, on one legなど)
    2. 座りポーズ(sitting, squattingなど)
    3. 寝そべるポーズ(lying on back, on stomachなど)
  3. 腕と手の表現を豊かにするプロンプト
    1. 腕の動き(arms crossed, stretching armsなど)
    2. 手の形(clenched fist, peace signなど)
    3. 手の位置(hands on hips, hand on chinなど)
  4. 下半身の動きと足元のプロンプト
    1. 足の動き(legs crossed, kickingなど)
    2. 膝の角度と姿勢(kneeling, crouchingなど)
  5. 視線と顔の向きを操るプロンプト
    1. 視線の指定(looking at viewer, looking awayなど)
    2. 顔の向き(from front, profile, three-quarter viewなど)
    3. 頭の傾き(head tilt, leaning headなど)
  6. シーン別!応用ポーズのプロンプトアイデア集
    1. アクション・スポーツ系のポーズ
    2. 日常・パフォーマンス系のポーズ
    3. 感情表現・インタラクションのポーズ
  7. プロンプトを超えて精度を上げる応用テクニック【2025年版】
    1. ControlNetを使った参照画像からのポーズ抽出
    2. OpenPose Editorでの詳細な骨格指定
    3. プロンプトの重み付け(強調構文)の活用法
  8. 思い通りのポーズを生成するための3つのコツ
    1. 具体的かつシンプルな単語を選ぶ
    2. 複数のプロンプトを組み合わせて複雑な動きを表現する
    3. ネガティブプロンプトで崩れたポーズを回避する
  9. 生成AIのポーズ指定やプロンプト作成を学ぶならAX CAMP
    1. Foxx様の事例
    2. WISDOM合同会社様の事例
    3. エムスタイルジャパン様の事例
  10. まとめ:生成AIのポーズ指定をマスターし表現の幅を広げよう

生成AIでポーズ指定が重要な理由

生成AIでポーズ指定が重要な理由

結論として、ポーズ指定は作品のクオリティを決定づける最重要要素です。なぜなら、キャラクターのポーズが構図の安定感、感情の深み、そして物語性そのものを左右するからです。適切なポーズは、単なる形の描写を超え、鑑賞者に強い印象を与えます。

一方で、このポーズ指定こそが多くのクリエイターが直面する壁でもあります。思い通りのポーズを言語化してAIに伝える難しさや、生成されたイラストの手足が不自然になってしまう問題は、制作でつまずきやすいポイントと言えます。このセクションでは、ポーズがイラストに与える影響の基本を解説します。

イラストの魅力を引き出す構図の基本

イラストの魅力は、キャラクターのポーズが作る「構図」によって大きく左右されます。例えば、キャラクターを画面の中央に立たせる基本的なポーズは安定感を与えますが、少し斜めに立たせるだけで動きやダイナミックさが生まれます。このように、ポーズは視線を誘導し、イラスト全体のバランスを整える役割を担っています。

人間の目は、イラストの中に三角形やS字カーブといった特定の形を見つけると、無意識に美しさや安定感を感じる傾向があります。キャラクターの腕や足、体のひねりを使ってこれらの構図を作ることで、イラストの説得力と魅力は格段に向上するのです。

キャラクターの感情や物語性を表現する

ポーズは、キャラクターの内面を描写するための強力な非言語的コミュニケーションツールです。腕を組むポーズは警戒心や自信を、うつむき加減のポーズは悲しみや内省を表現できます。言葉にしなくても、ポーズ一つでキャラクターの感情や性格を雄弁に物語ることが可能です。

さらに、キャラクターが何をしているのか、どのような状況にいるのかといった物語の背景もポーズによって示唆されます。戦闘シーンでの躍動感あふれるポーズや、カフェでリラックスして座っているポーズなど、状況に応じたポーズを指定することで、一枚のイラストに豊かなストーリーが生まれるのです。

ポーズ指定でよくある失敗パターンと原因

生成AIでのポーズ指定には、いくつかの典型的な失敗パターンが存在します。代表的なのは「手や指が崩れる」「関節が不自然な方向に曲がる」「指示したポーズと全く違うものが生成される」といったケースです。これらの問題は、クリエイターの意欲を削ぐ大きな要因となり得ます。

失敗の主な原因は、プロンプトの曖昧さにあります。例えば、単に「戦うポーズ」と指示するだけでは、AIが解釈する範囲が広すぎてしまい、結果が安定しません。「剣を振りかぶるポーズ(sword-fighting stance, raising sword)」のように、具体的で明確な単語を使うことが、失敗を避けるための第一歩です。

基本的な全身ポーズのプロンプト集

基本的な全身ポーズのプロンプト集

キャラクターの全身ポーズは、イラストの第一印象を決める重要な要素です。基本的な単語をいくつか知っておくだけで、表現の幅は大きく広がります。ここでは、使用頻度の高い「立ちポーズ」「座りポーズ」「寝そべるポーズ」の基本的なプロンプトを紹介します。これらの単語をベースに、他の要素を組み合わせていきましょう。

立ちポーズ(standing, on one legなど)

立ちポーズは最も基本的でありながら、バリエーションが豊富なポーズです。直立するだけでなく、少し重心をずらしたり、何かに寄りかかったりするだけで、キャラクターの個性や感情を表現できます。

  • standing
  • on one leg
  • leaning against wall
  • arms crossed
  • hands on hips
  • wide stance

これらのプロンプトは、キャラクターの基本的な姿勢を定義する際に役立ちます。「standing」を基本とし、「leaning against wall(壁に寄りかかる)」や「on one leg(片足立ち)」などを加えることで、より具体的なシチュエーションを描写できます。

座りポーズ(sitting, squattingなど)

座りポーズは、キャラクターがリラックスしている状態や、何かを考えているシーンを表現するのに適しています。椅子に座る、地面に座る、しゃがむなど、様々なバリエーションが存在します。

  • sitting
  • sitting on chair
  • sitting on floor
  • cross-legged
  • squatting
  • kneeling

例えば、「sitting on chair(椅子に座る)」に「legs crossed(足を組む)」を追加することで、より洗練された、あるいは落ち着いた雰囲気のキャラクターを描き出すことが可能です。

寝そべるポーズ(lying on back, on stomachなど)

寝そべるポーズは、無防備さやリラックスした状態、あるいはシリアスなシーンなど、幅広い感情表現に利用できます。仰向けかうつ伏せか、体の向きによっても鑑賞者に与える印象は大きく変わります。

  • lying on back
  • lying on stomach
  • on side
  • fetal position
  • stretching
  • sprawled out

「lying on back(仰向け)」は開放的な印象を、「fetal position(胎児のポーズ)」は防御的、内向的な印象を与えるなど、キャラクターの心理描写に深く関わるポーズを指定できます。


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腕と手の表現を豊かにするプロンプト

腕と手の表現を豊かにするプロンプト

キャラクターの感情や意図を伝える上で、腕と手の表現は非常に重要です。生成AI、特に画像生成モデルは手の描写が苦手な場合が多いですが、的確なプロンプトを用いることで、その精度を大幅に向上させることが可能です。ここでは、腕の動き、手の形、そして手の位置に関するプロンプトを紹介します。

腕の動き(arms crossed, stretching armsなど)

腕全体の動きは、キャラクターの態度や感情を大きく左右します。腕を組む、伸ばす、後ろに回すといった動作は、それぞれ異なる心理状態を暗示します。

  • arms crossed
  • arms behind back
  • stretching arms
  • arms up
  • akimbo
  • one arm raised

例えば「arms crossed(腕組み)」は自信や拒絶を、「stretching arms(腕を伸ばす)」はリラックスや活動の開始を示すなど、シーンの文脈に合わせて使い分けることが重要です。特に「akimbo(両手を腰に当てる)」は、仁王立ちのような力強いポーズを作りたい場合に有効です。

手の形(clenched fist, peace signなど)

指先の細かな表現は、イラストのリアリティとキャラクターの感情の機微を伝えます。拳を握る、ピースサインをする、何かを指さすなど、具体的な手の形を指定することで、より生き生きとした描写が可能になります。

  • clenched fist
  • open hand
  • peace sign
  • pointing
  • waving hand
  • making a heart shape

手の描写は崩れやすいため、具体的な形を指定することが成功の鍵です。「clenched fist(握り拳)」は怒りや決意を、「pointing(指をさす)」は鑑賞者の視線を特定の部分に誘導する効果があります。

手の位置(hands on hips, hand on chinなど)

手が体のどの部分にあるかによっても、キャラクターの印象は大きく変わります。腰に手を当てる、顎に手を添えるなど、位置を指定することで、特定の態度や思考のプロセスを視覚的に表現できます。

  • hands on hips
  • hand on chin
  • hands in pockets
  • hand on cheek
  • hands behind head
  • covering face

「hand on chin(顎に手を添える)」は、キャラクターが考え事をしている様子を描写する際の定番です。また、「hands in pockets(ポケットに手を入れる)」は、カジュアルでリラックスした雰囲気を演出するのに役立ちます。

下半身の動きと足元のプロンプト

下半身の動きと足元のプロンプト

イラスト全体の安定感や躍動感は、下半身のポーズによって決まります。キャラクターの体重がどのようにかかっているか、足がどのような状態にあるかを明確に指定することで、イラストに説得力とリアリティが生まれます。ここでは、足の動きや膝の角度に焦点を当てたプロンプトを紹介します。

足の動き(legs crossed, kickingなど)

足の動きは、キャラクターの全身のバランスとダイナミズムを司ります。足を組む、蹴る、歩くといった基本的な動作を指定することで、静的なイラストにも動きの感覚を与えることができます。

  • legs crossed
  • kicking
  • running
  • walking
  • tiptoe
  • pigeon-toed

例えば、「running(走る)」や「kicking(蹴る)」はアクションシーンに不可欠なプロンプトです。一方で、「pigeon-toed(内股)」のように、キャラクターの性格や癖を表現する細かな指定も可能です。

膝の角度と姿勢(kneeling, crouchingなど)

膝の曲げ方や腰の落とし方は、ポーズの多様性を生み出す上で重要です。ひざまずく、しゃがむといった姿勢は、特定の感情や状況を表現するのに役立ちます。

  • kneeling
  • crouching
  • genuflecting
  • lunging
  • sitting on one’s heels

「kneeling(ひざまずく)」は、敬意や祈り、あるいは敗北といった文脈で使われます。「crouching(しゃがむ)」は、身を隠したり、何かを観察したりする緊張感のあるシーンに適しています。これらの姿勢を使いこなすことで、より複雑な物語をイラストに込めることができます。


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視線と顔の向きを操るプロンプト

視線と顔の向きを操るプロンプト

キャラクターの視線や顔の向きは、鑑賞者との心理的な距離感を決定づける重要な要素です。キャラクターがどこを見ているのか、どの角度から描かれているのかを指定することで、イラストの意図を明確に伝え、感情的なつながりを生み出すことができます。ここでは、視線、顔の向き、頭の傾きを制御するプロンプトを見ていきましょう。

視線の指定(looking at viewer, looking awayなど)

視線は「心の窓」とも言われ、キャラクターの感情や意図を最も直接的に伝える部分です。鑑賞者をまっすぐ見つめるのか、それとも視線をそらすのかで、イラストの印象は180度変わります。

  • looking at viewer
  • looking away
  • looking up
  • looking down
  • sidelong glance
  • closed eyes

「looking at viewer(鑑賞者を見ている)」は、鑑賞者に直接語りかけるような強いインパクトを与えます。一方で、「looking away(視線をそらす)」は、物思いにふけっている、あるいは何か別のものに注意を向けている状況を表現するのに効果的です。「sidelong glance(横目)」は、興味、疑い、あるいは企みといった複雑な感情を匂わせることができます。

顔の向き(from front, profile, three-quarter viewなど)

顔がどの角度で描かれているかは、イラストの構図と雰囲気を決定します。正面、横顔、斜め顔など、基本的なアングルを指定することで、キャラクターの立体感や見せたい側面をコントロールできます。

  • from front
  • profile
  • three-quarter view
  • from behind
  • from above
  • from below

「profile(横顔)」は、キャラクターのシルエットの美しさを強調したい場合に適しています。「three-quarter view(斜め45度)」は、顔の立体感を最も自然に表現できるため、ポートレートで多用されるアングルです。「from below(下からのアングル)」はキャラクターに威厳や力強さを与え、「from above(上からのアングル)」は逆にキャラクターを儚げに見せる効果があります。

頭の傾き(head tilt, leaning headなど)

わずかな頭の傾きは、キャラクターに生命感と感情のニュアンスを加える繊細なテクニックです。首をかしげる動作は、好奇心や疑問、あるいは親しみやすさといった感情を表現するのに非常に有効です。

  • head tilt
  • leaning head
  • head back
  • chin up
  • head down

「head tilt(首をかしげる)」は、キャラクターを愛らしく見せたり、何かを考えている様子を示したりする際に便利なプロンプトです。「chin up(顎を上げる)」は自信や誇りを、「head down(うつむく)」は悲しみや服従といった感情を表現します。これらの細かな調整が、キャラクターの個性を際立たせます。

シーン別!応用ポーズのプロンプトアイデア集

シーン別!応用ポーズのプロンプトアイデア集

基本的なポーズのプロンプトを組み合わせることで、より複雑でダイナミックなシーンを描写できます。アクション、日常、感情表現など、特定のテーマに沿ったポーズを作ることで、イラストの物語性は一層深まります。ここでは、具体的なシーンを想定した応用的なプロンプトの組み合わせ例を紹介します。

アクション・スポーツ系のポーズ

動きの激しいシーンでは、複数のプロンプトを組み合わせて躍動感を表現することが重要です。「dynamic pose」や「action pose」といった汎用的な単語を加えつつ、具体的な動作を指定します。

  • 剣を振るポーズ
  • 魔法を放つポーズ
  • ボールを蹴るポーズ
  • ダンスするポーズ
  • ジャンプするポーズ

例えば、剣を振るシーンなら「dynamic pose, action pose, sword fighting stance, swinging a sword, jumping, motion blur」のように、姿勢、動作、エフェクトを組み合わせることで、静止画でありながら動きを感じさせるイラストを生成できます。

日常・パフォーマンス系のポーズ

キャラクターの生活や趣味を描写するシーンでは、特定の道具と組み合わせたポーズが有効です。自然な仕草や、専門的な動きをプロンプトで再現します。

  • ギターを弾くポーズ
  • 本を読むポーズ
  • 料理をするポーズ
  • 絵を描くポーズ
  • 歌うポーズ

ギターを弾くキャラクターを描きたい場合、「sitting on a stool, playing an acoustic guitar, focused expression, strumming」のように、場所、行動、表情、細かな動作を組み合わせることで、リアリティのあるシーンを作り上げることができます。

感情表現・インタラクションのポーズ

複数のキャラクターが絡むシーンや、特定の感情を強く表現したい場合には、関係性を示すポーズが鍵となります。互いの距離感や触れ合い方を指定することで、キャラクター間の物語が生まれます。

  • 二人で話すポーズ
  • 抱きしめ合うポーズ
  • 手をつなぐポーズ
  • 慰めるポーズ
  • 驚くポーズ

二人のキャラクターが親密に話している様子を描くなら「two girls, sitting close together, whispering, one girl leaning on the other’s shoulder, gentle smile」といったプロンプトが考えられます。これにより、キャラクター間の感情的なつながりを視覚的に表現できます。


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プロンプトを超えて精度を上げる応用テクニック【2025年版】

プロンプトを超えて精度を上げる応用テクニック【2025年版】

プロンプトだけではどうしても制御しきれない複雑なポーズや、特定のイラストのポーズを完全に再現したい場合も少なくありません。そのような時には、プロンプトの工夫だけでなく、より直接的にポーズを制御する外部ツールや応用技術の活用が非常に有効です。ここでは、2025年現在の最新環境で主流となっている3つの応用テクニックを紹介します。

ControlNetを使った参照画像からのポーズ抽出

ControlNetは、Stable Diffusionなどの画像生成AIと組み合わせて使われる拡張機能で、参照画像から様々な情報を抽出し、生成プロセスを精密に制御する技術です。 特にポーズ指定において絶大な効果を発揮します。(出典:lllyasviel/ControlNet

具体的な手法としては、元にしたいポーズのイラストや写真を用意し、ControlNetの「OpenPose」や「Depth」といったプリプロセッサ(前処理機能)と、それに対応するモデル(例: `control_v11p_sd15_openpose`)を使用して、骨格情報や深度情報だけを抽出します。 そして、その抽出されたポーズ情報に基づいて、全く新しいキャラクターや背景のイラストを生成するのです。使用するStable Diffusionのバージョン(SD1.5系かSDXL系か)に対応したControlNetのモデルを選ぶ必要がある点には注意が必要です。バージョンが異なると互換性がなく、期待通りに動作しない場合があります。

この技術により、プロンプトでは表現が難しい繊細なポーズも、参照画像からポーズ情報を抽出して高精度に誘導できます。ただし、参照する画像が第三者の著作物や人物を含む場合は、権利者の許諾が必要となる可能性があります。商用利用を検討する際は、事前に著作権・肖像権・利用規約を必ず確認してください。

OpenPose Editorでの詳細な骨格指定

さらに一歩進んだ方法として、OpenPose Editorを使って自分で理想の骨格モデルを直接作成・編集するテクニックがあります。これは、参照画像がない場合や、完全にオリジナルの独創的なポーズを作りたい場合に非常に強力な手法です。

OpenPose Editorは、画面上で人型の骨格(スティックフィギュア)の関節を自由に動かして、好きなポーズを作れるツールです。 作成した骨格データを画像として保存し、それをControlNetの入力として使用します。これにより、OpenPoseエディタ上でキーポイント(関節)を細かく編集することで、手首の角度や指の曲げ方といった部分まで、かなり高い精度でコントロールできる場合があります。ただし、最終的な出力の忠実性は、入力データの明瞭さや使用するControlNetモデル、そしてAIモデル固有の限界に依存します。特に指先の細かな表現は、追加の技術を併用しても、不確実性が残る場合がある点には注意が必要です。(出典:CMU Perceptual Computing Lab / openpose

プロンプトの重み付け(強調構文)の活用法

ツールを使わずにプロンプト内で精度を上げる方法として、重み付け(強調構文)の活用があります。これは、プロンプト内のある特定の単語の重要度をAIに強く認識させるための記述方法です。

例えば、Stable Diffusion Web UI (AUTOMATIC1111版)では、強調したい単語を `( )` で囲むことで、その影響力を強めることができます。 `(word:1.2)` のようにコロンと数値で重みを細かく指定したり、`((word))` のように括弧を重ねて強調の度合いを上げることも可能です。 逆に `[ ]` で囲むと影響力を弱めます。 このテクニックを使えば、「どうしても腕を上げてほしい」といった場合に `(arms up:1.4)` のように指定し、ポーズが反映される確率を高めることができます。

なお、ここで紹介した強調構文は一例であり、利用するツールやモデルのライセンス・利用規約、バージョンによって動作が異なる場合があります。利用前には、各ツールの公式ドキュメントなどを改めて確認することをお勧めします。

思い通りのポーズを生成するための3つのコツ

思い通りのポーズを生成するための3つのコツ

生成AIで理想のポーズを引き出すためには、いくつかの基本的な原則があります。最新の応用技術も重要ですが、日々のプロンプト作成においてこれから紹介する3つのコツを意識するだけで、生成されるイラストの品質は大きく向上します。これらのコツは、あらゆる画像生成AIに共通して有効な考え方です。

具体的かつシンプルな単語を選ぶ

AIへの指示は、人間に対するように曖昧な表現ではなく、具体的で直接的な単語を選ぶことが最も重要です。「かっこいいポーズ」のような抽象的な言葉は、AIが解釈する際にブレが生じやすくなります。代わりに「剣を構えるポーズ(sword fighting stance)」や「仁王立ち(akimbo)」のように、行動や形を直接示す単語を使いましょう。

また、一つの単語が持つ意味が広すぎないかどうかも重要です。できるだけシンプルで、誤解の余地が少ない単語を選ぶことが、意図した結果を得るための近道です。プロンプトは「詩」ではなく「設計図」と捉え、明確な指示を心がけることが成功の鍵となります。

複数のプロンプトを組み合わせて複雑な動きを表現する

一つの単語で完璧なポーズを指定するのは困難です。優れたポーズ指定は、複数の基本的なプロンプトの組み合わせによって成り立っています。例えば、キャラクターの上半身、下半身、腕、手、視線など、体の各パーツごとに状態を指定することで、全体のポーズを精密に組み立てていくことができます。

「standing, hands on hips, looking at viewer, confident smile」のように、姿勢、手の位置、視線、表情をカンマで区切って並べることで、単に立っているだけでなく、「自信に満ちて鑑賞者を見つめるキャラクター」という、より豊かで具体的なイメージをAIに伝えることが可能になります。

ネガティブプロンプトで崩れたポーズを回避する

理想のポーズを指示する「ポジティブプロンプト」と同じくらい重要なのが、「ネガティブプロンプト」の活用です。これは「生成してほしくない要素」をAIに伝えるための指示文で、特にポーズの崩れを防ぐのに絶大な効果を発揮します。

手や指の描写が崩れやすい問題に対しては、ネガティブプロンプトに「extra limbs, extra fingers, bad anatomy, broken hands, poorly drawn hands」といった単語を入れておくのが定番です。これにより、AIは不自然な人体構造を生成する可能性を低減させ、より正確で美しいポーズのイラストを出力しようとします。品質を安定させるための、必須のテクニックと言えるでしょう。

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この記事で紹介したプロンプトやテクニックは、生成AIの表現力を引き出すための強力な武器となります。しかし、「専門用語が多くて難しい」「自分の業務にどう活かせばいいか分からない」と感じる方も少なくないでしょう。特に法人でAI活用を推進する場合、個人のスキルアップだけでなく、組織全体での知識の標準化や実践的な活用ノウハウが不可欠です。

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まとめ:生成AIのポーズ指定をマスターし表現の幅を広げよう

本記事では、生成AIにおけるポーズ指定の重要性から、具体的なプロンプト集、そして応用テクニックまで幅広く解説しました。思い通りのイラストを生成するためには、これらの知識を実践で使いこなすことが不可欠です。

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • ポーズの重要性:ポーズは構図、感情、物語性を決定づける、イラストの生命線です。
  • 基本プロンプト:立ち、座り、寝そべるといった基本姿勢に、腕や手の動きを組み合わせるのが基本です。
  • 応用テクニック:ControlNetやOpenPose Editorを使えば、参照画像や自作の骨格からポーズを正確に再現できます。
  • 成功の3つのコツ:プロンプトは「具体的かつシンプル」に、「複数組み合わせる」こと、そして「ネガティブプロンプト」の活用が鍵となります。

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